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GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDをSLIしてみる その4

プライマリ(ASIC 78.4%)とセカンダリ(ASIC 80.0%)の温度差がどうにも気になったので、試しに入れ替えてみました。

その結果やはりプライマリ側の方が温度が高く、うちの環境ではビデオカード側の個体差より設置場所の方が重要だという事が分かりました。
ただ温度差は縮まっているので、私の場合ASIC 80.0%物はプライマリ・78.4%物はセカンダリにした方がバランスは良いようです。
なお、元々はセカンダリの直上に位置するSoundblaster X-Fi FCSの温度を気遣っての位置決めでしたが、実際には温度が上がる方のASIC 78.4%物をセカンダリに挿しても80.0%物より3℃程度しか上がらないようなので多分大丈夫かと思われます。



前々回の記事中のGPU MonitorのSSを見ていて気付いたのですが、高温度時にASIC 78.4%物の電圧が1段階下がっています。
そのくせクロックが1段階下がらないのは謎なんですが、なんとなく試しにBIOSを弄って負荷時の電圧を1段階上げてみました。

その結果、なんとGPU Boostの最大クロック値が80.0%物と同じになりました
AfterburnerでのOC無しの状態で2枚とも最高ブースト1176HMz、AfterburnerのOC(コアクロック オフセット+53MHz)で2枚同期設定でも両方とも1228MHzになります。

GV-N670OC-2GD_SLI_011.jpg
今回の電圧設定です。
左がプライマリ(ASIC 80.0%)用、右がセカンダリ(ASIC 78.4%)用です。
セカンダリ側は設置場所的に有利なので、電圧を0.0125v上げた程度では温度的にも影響しませんでした。



今回の変更後の状態です。
GV-N670OC-2GD_SLI_012.jpg

このValley Benchmark中でも温度差は3~5℃と、以前の10℃前後の差があった状態と比べてかなりバランス的に改善出来ました。
現在はAfterburnerのプロファイルは2枚同期設定にしていますが、GPU Boostのクロックも揃っています。
KeplerではSLIを組んでいる2枚でも個体差によりブーストされるクロックが違う事が多々ありますが、現物合わせのワンオフ改造BIOSにより綺麗に揃える事が出来たので気分的にもスッキリしました。


GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDをSLIしてみる その3

今更の話題ですが、折角SLIにしたので各種ベンチとベンチ中の最大消費電力を計ってみました。
常用OCの環境なので、i7-3820 4.75GHz・GV-N670OC-2GDは2枚ともコアは最大ブースト時1228MHz・メモリはデータレート7010MHzです。
GeForce Driverは332.21です。
消費電力はワットモニターTAP-TST8での目視記録です。
i7-3820 OCとX79の環境の為、一般的なメインストリーム系の環境より50~100W位消費電力が高いと思われます。



3DMark
GV-N670OC-2GD_SLI_3DMark_001.jpg
NVIDIA GeForce GTX 670 video card benchmark result - Intel Core i7-3820 Processor,ASUSTeK COMPUTER INC. RAMPAGE IV FORMULA

Futuremarkの最新ベンチ3DMARKです。
ICE STORMはGTX670 SLIには軽すぎて遊んでいる状態が多いです。
逆にFIRE STRIKEはかなり重く、SLIでも60fpsを超えられません。

消費電力 最大612W



3DMark11
GV-N670OC-2GD_SLI_3DMark11_001.jpg
NVIDIA GeForce GTX 670 video card benchmark result - Intel Core i7-3820 Processor,ASUSTeK COMPUTER INC. RAMPAGE IV FORMULA

FuturemarkのDirectX11用ベンチ3DMark11です。

消費電力 最大626W
かなりの高消費電力ですが、何故か一番最初の水中場面で叩き出します。
その後のテストでは600Wも超えない状態でした。



3DMark06
GV-N670OC-2GD_SLI_3DMark06_001.jpg

FuturemarkのDirectX9用ベンチ3DMark06です。
GV-N670OC-2GDシングルの時も全然性能を使い切れていませんでしたが、SLIにしてもその傾向は変わりません。
ベンチ中コアクロックが784MHzしか上がらない時もあり、かなりの空回り状態です。
NVIDIA Inspectorで3DMark06のプロファイルも見てみましたが、ちゃんとSLIの設定もされているのでもうこれは仕様でしょう。

消費電力 最大510W
唯一負荷が高まるCanyon Flight中での数値です。
その他では殆ど300W台、時には300W切りもしていました。



ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
GV-N670OC-2GD_SLI_FF14Bench_001.jpg

新生FF14の最新ベンチです。
上記画像でも分かりますが、解像度はフルHD、設定は最高品質での計測です。
負荷はしっかり掛かり、SLIをほぼ使い切れている感じです。

消費電力 最大583W



FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK
GV-N670OC-2GD_SLI_FF14BenchOLD_001.jpg

旧FF14ベンチです。
設定はHighです。
これもGeForce DriverのプロファイルではしっかりSLIの設定がされていますが、どうにも空回り感が強いです。
確かシングルOCの時は8000位だったので、SLIを生かせないベンチのようです。

消費電力 最大511W



PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0
GV-N670OC-2GD_SLI_PSO2v2_001.jpg

いわゆるPSO2ベンチのVer2です。
解像度はフルHDでフルスクリーン、簡易設定5の結果です。
意外にもSLIを使いこなせているようで、結構な数字が出ました。
というかこのバージョンでも5,000以上で快適判定なんでしょうか?。
数値のインフレが酷い気が…。

消費電力 最大546W



PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクタークリエイト体験版
GV-N670OC-2GD_SLI_PSO2v1_001.jpg

PSO2ベンチ旧バージョンです。
設定は解像度はフルHDでウィンドウモード、簡易設定5の結果です。
フルスクリーンにすると使用しているディスプレイの最大解像度固定になってしまう(私の場合はWUXGA)糞プログラムのため、仕方なしにウィンドウモードで実行しています。

昔シングルOC時にやった時は22,000位だったのでSLIの効果は出ているようです。
しかしVer2との差が大きすぎますね。
ここまで数値に違いが出るなら快適判定をする基準も変えるべきなのですが、糞運営SEGAですからねぇ…。
Ver2では大きな数値が出るようになっていて、より多くの環境で「快適」という詐欺判定をしプレイ人口を増やそうという魂胆があったとしても私は驚きません…。

消費電力 最大504W



Valley Benchmark 1.0
GV-N670OC-2GD_SLI_Valley_001.jpg

山岳風景を描画するUNiGiNEのValley Benchmarkです。
ExtremeHDの設定で計測しています。
他のベンチマークのような派手さはありませんが大自然を描いた非常に美しいベンチで、SLIも使いこなしてくれるようです。

消費電力 最大572W



アイドル時
消費電力 最小150W

SSDとHDDが変わっているので若干の上下はありますが、過去の計測値から計算するとGV-N670OC-2GD 1枚のアイドル消費電力は15W程のようです。
ただ前回の記事で書いたように、私のGV-N670OC-2GDはアイドル時の電圧が0.825vまで下げたMOD BIOSに書き換えてある状態です。


OCCT 4.4.0 GPU時
消費電力 最大633W

CPUを殆ど使わないテストのせいか、3DMark11より若干大きいくらいで済んでいます。
まぁシングル時よりOC値を下げたのもかなり効いていると思われます。



購入してSLI環境を2週間ほど使用してきましたが、事前の予想より遙かに扱いやすい感じです。
今となっては旧型であり、立場的にも完全にミドルレンジなGTX670のSLIですが
・アプリがSLIに対応している
・解像度がフルHD程度まで
・使用ビデオメモリが2GB以内

条件を満たせばGTX780Ti OCのシングルよりは速いはずです。

ただ上記条件に加え、
・2枚挿しによる設置面積の大きさ
・GTX780TiのOC状態をも超えるであろう消費電力
・ゲームが対応していてもまれにfpsが落ちる場面があるSLIの難しさ

というデメリットもある為、実ゲームプレイ用としてはむやみやたらにSLIがお勧めとは言えないでしょう。
なお上記のように負荷率に余裕がありながらもまれにfpsが落ちる場面はありますが、GeForce DriverにはAdaptive VSync機能があるせいか、以前HD5870を使用していた時のような不快なカクツキではありません。

他でも散々言われているとは思いますが、既に1枚目を持っていて延命化したい場合には有効な手段ですね。
今回はGK110カードが高止まり過ぎる為SLIにしてみたのですが、ベンチではGTX780Tiを超える数値に満足出来、実ゲームでは確実に1段階上の設定でプレイ出来るため総合的な満足度は高いです。

発売後6年以上経ったCrysisがようやくフルHD最高設定でプレイ可能(多くの場面で60fpsを切らない)になったり、Crysis2でも高解像度テクスチャ+DirectX11モードでウルトラ設定が余裕になったのは素晴らしいです。
ただCrysis3では最高設定はとても無理で、ALL高+TXAA高+テクスチャ最高の設定までしか安定して60fpsを出せないのはさすがのCrysisシリーズ最新作といったところでしょうか…。


GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDをSLIしてみる その2

基本的に同じGPU同士ならSLIは可能なようなので特に必要はありませんが、折角なのでビデオBIOSを弄ってみました。
使用ツールはKepler BIOS Tweakerです。

ダウンロードはこちらから→[Sammelthread] NVIDIA GeForce GTX 700 & 600 Serie - BIOS-Files
いつの間にかv1.26にバージョンアップされていたので、今回はこのバージョンを使用してみました。



GV-N670OC-2GD_SLI_005.jpg

SLIにしたことでパワー的に余裕が出来、限界までOCする必要も無くなったので最小限の変更のみにしています。
3Dモード時の電圧は標準の1.15Vのままで2Dモード時の電圧だけ下げています。
Power Targetは無改造BIOSでは225Wに制限されていますが、8ピン+6ピンでハード的には最大300Wまで入力可能なカードなのでそこまで開放しています。(右画面一番下の項目)
まぁPower Targetは上限の制限を開放しただけで、実際の%はAfterburnerで制御出来るので余計な制限を取っ払っただけの話です。
コアクロックはGPU Boostも含めるとかなり制御が複雑なので、正直Afterburnerに任せる方が安心かつ確実かと思われます。



BIOS更新ですが、いつものようにUSBメモリからのDOS起動、DOS版NVFLASHにて行いました。
最新版はv5.136ですが、更新し忘れていたので以前GV-N670OC-2GDの書き換えに使用したv5.127を今回も使用しました。

いちいちケースを開けて1枚1枚取っ替え引っ替えしながらBIOS更新するのは面倒なので、2枚挿し状態で更新してみました。

書き換える時のコマンドラインはnvflash BIOSファイル名ですが、2枚刺しの状態でも同じです。
上記コマンドの後y入力で書き換え・s入力でスキップですが、プライマリ・セカンダリの順番で2回この入力操作がくるだけです。
例えば2枚とも同じBIOSで書き換えたい場合はyを2回、プライマリだけ書き換えたい場合はyの後a(アボート)、セカンダリだけ書き換えたい場合はsの後yという感じです。

書き換え後私は必ずベリファイしますが、この場合も1枚の時と同じnvflash -k BIOSファイル名でOKです。
このベリファイ時はどちらのカードをベリファイするのか聞いてくるので、プライマリなら0、セカンダリなら1を入力して選択します。



無事に2枚ともBIOS書き換えが終了したので、今度は常用OCの設定です。

2枚の廃熱・消費電力や標準電圧でのOC等もろもろを考慮しAfterburnerで設定しました。
最初普通に設定してみたところ、同じ設定がプライマリ・セカンダリ両方に作用しました。
するとやはりブースト時に1段階(13MHz)の差が出てしまったので、別々の設定をすることにしました。

GV-N670OC-2GD_SLI_006.jpg
一番上のチェックボックス項目「類似のグラフィックス プロセッサの設定の同期化」をオフにすると、すぐ上のプルダウンメニューで選んだ方のカードにのみプロファイルを反映させる事が出来るようになります。


GV-N670OC-2GD_SLI_007.jpg
とりあえずこんな感じで設定してみました。
うちの個体ではこの設定で両カードとも最大ブースト時1228MHzになります。


GV-N670OC-2GD_SLI_008.jpg
OCCT GPUテストです。
30分しかしてませんが、シングルOC時より控えめOCなのでまぁこのクロックで問題ないと思われます。
温度差が9℃にもなっているのはちょっと気になりますが、設置スロットやチップ個体差を考慮すると仕方の無い事なのかもしれません。

ちなみにこの時のGPU Monitorはこんな表示だったのですが
GV-N670OC-2GD_SLI_009.jpg
なんと負荷テスト中にもかかわらずPowerが107%と112%しか上がっていません
最大140%(280W)まで許容する設定にしてもこんなもんです。
シングル時電圧まで上げて限界OCを探ってた時には余裕で130%とか記録してましたが、電圧標準・控えめOCだとGTX670は扱いやすいビデオカードだなと再認識させられました。

ついでに分かった事は、プライマリのカード(今回入手したASIC 78.4%物)の方がブーストは伸びず発熱も高いですが、実消費電力は低かったという事です。



BIOS書き換え、AfterburnerでのOC設定を終え快適に常用しようと思っていると…落とし穴がありました。
時々セカンダリのGPU Boostが効かなくなります。

GV-N670OC-2GD_SLI_010.jpg
こんな感じに負荷が掛かっているにもかかわらずセカンダリが980MHz固定になってしまいます。

色々調べた結果、どうやらAfterburnerの不具合?っぽいです。
ただバージョンが現在の最新版3.0.0 Beta18のみではなく、Beta17でも正式版の2.3.1でも起こったので私の環境依存的な不具合の可能性もあります

NVIDIAコントロールパネルからSLIを組み直したり、Afterburnerでセカンダリのプロファイルをロードし直す事で直りますが、少々面倒です。
もう少し調べてみたところ現象が出始めるのは不特定のWindows起動時、つまりAfterburner自動起動時に時々何かが失敗しているんじゃないかと思われます。
試しにWindows起動後に手動で起動させてみると、何回やっても現象は出ません。

結果としてAfterburnerはアプリ側での自動起動はさせず、遅延スタートアップ起動させる事で対処しました。
とりあえず現状ではこの対処により安定してセカンダリもGPU Boostが効くようになりました。



GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDをSLIしてみる

GIGABYTEのGTX670カードGV-N670OC-2GDを使い始めてから1年3ヶ月が過ぎました。
さすがにそろそろパワーアップしたくなっていましたが、現状で明らかな差が出るカードはGTX780以上になってしまい、通販価格ではGTX780は約6万・GTX780Tiは約7~8万5千円もします。
AMDが不甲斐ないせいもあるでしょうが、GK110カードでは下位でも5万円を超えるとか かつてないボッタクリ設定の気がします。

今年中にもMaxwellが出るだろうと予想される中とても買い換えていられないかなと思っていたところ、近所のショップの中古コーナーで今使っているビデオカードと同じGV-N670OC-2GDを発見しました。
正直中古のビデオカードには抵抗がありましたが、正月値引きにもなっていたのでSLI用として購入してみました。
ちなみに玄人志向のGTX670が更に安価でありましたが、680用基板を使用しているGV-N670OC-2GDとは格が違うため華麗にスルーしました。



GV-N670OC-2GD_SLI_001.jpg

組み込んだところです。
R4FではPCIEX_x16_1とPCIEX_x16_3に挿す事により両方PCI-E 3.0のx16モードで動かせるので、2枚のGV-N670OC-2GDはこの位置になります。
両方ともカード真下は吸気用に空けておきたいので、必然的にSoundBlaster X-Fi FCSの位置はPCIEX_x1_1になります。
セカンダリGV-N670OC-2GDの真上で熱的に気になるので、セカンダリ側には発熱の少ない方の個体を挿しています。



十年以上前に3Dfx社のVoodoo 2で元祖SLIを組んだ事はありますが、GeForceでは初めてのSLIです。

GV-N670OC-2GD_SLI_002.jpg

ドライバをインストールした時点ではSLIは無効になっているので、NVIDIAコントロールパネルで「3Dパフォーマンスを最大化する」に設定し有効にする必要があります。



基本的に同じビデオチップを積んでいればSLIは可能なはずですが、今回は既に持っていたGV-N670OC-2GDと全く同じ製品の中古を確保出来ました。
ビデオBIOSもF12だったので1個目と同じです。
ただしPCパーツには個体差という物があり、特にCPUやビデオカードはクロックや温度で差が出ます。
GPU-Zに内包されている禁断の機能、ASIC Qualityを使用し両方の素性を調べてみました。

GV-N670OC-2GD_SLI_003.jpg

左の78.4%が今回入手した個体、右の80.0%が元々持っていた個体です。
差は1.6%と少ないですが、Afterburnerでクロックを全く弄らない状態でこんな感じになります。

GV-N670OC-2GD_SLI_004.jpg

プライマリが今回購入した78.4%物、セカンダリが元々持っていた80.0%物です。
両方全く同じビデオBIOSにしてありますが、GPU Boostのクロックに1段階の差(13MHz)が出ています。
温度的にもプライマリ側が8℃も高いのですが、これはCPUクーラーのNH-D14 SE2011からの廃熱を浴びている可能性もあります。


GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDのBIOSを改造してみる その2(Kepler BIOS Tweaker)

前回使用したKGB - Kepler BIOS Editor/Unlockerより細かい設定が可能なBIOS改造ツールKepler BIOS Tweakerが出ていたので試用してみました。

[Sammelthread] NVIDIA GeForce GTX 600 Serie - BIOS-Files

HARDWARE LUXXというサイト? の掲示板で展開されているようです。
ちょっと見れば分かりますが、ここは英語ですらない(多分ドイツ語)ので私には殆ど書いてある内容は分かりません。
幸いダウンロードリンクは英語読みだったので、ツール自体の入手は簡単です。
2013/03/16現在バージョンは1.25です。

Kepler BIOS TweakerでGV-N670OC-2GDの無改造BIOSを読み込んでみるとこんな感じです。
Kepler_BIOS_Tweaker_001.jpg

本来説明書代わりになる掲示板が読めないので、カンで弄っていく事にします。
まぁ分からない部分は下手に弄らない方が正解でしょう。
なおSave BIOSボタンは上書き保存、Save BIOS Asボタンは名前を付けて保存なので改造前にバックアップしなくてもよくなっています。

Common
ここは一目で分かりやすい部分です。
各種クロック、ファンの自動速度調整幅、パワーターゲットの数値を設定します。
ここで一番の疑問はパワーターゲットの設定部分が2ヵ所あるところです。

Voltages
ここも分かりやすいですね。
電圧設定部分です。
KGBで弄った方には分かると思いますが、ここのMax Voltageはブースト時の電圧ではありません。
ブースト時にはこのMax Voltageに更に+0.025Vされます。
ただし合計最大1.2125Vまでという制限は当然そのままでしょう。
Voltage Patternの方は多分各P-State毎の最低電圧じゃないかと思います。
Max Voltageの設定部分が2ヵ所あるのはよく分かりません。

Boost Table
ここから説明書無しでは理解が難しくなってきます。
この設定項目は多分GPU Boostの推移設定です。
FermiまではP-Stateによりクロックが決定されていましたが、KeplerはP-State 0の最中でも頻繁にクロックが変動します。
その部分のテーブルでしょう。
まぁここで弄れるのはMax Table Clockの部分だけで、それに合わせてテーブル24~46のクロック値が全体的にオフセットされるだけです。

Boost States
Clock States
このツールで一番分からん部分です。
P-State毎のクロック設定で、上限値・下限値を設定してるんじゃないかな…としか理解出来ません。



ぶっちゃけP2~P8までのクロックを弄る必要性は感じておらず、P0のクロックはAfterburnerでどうにでもなるので、よく分からないクロック関係は弄らない事にしました。
Afterburnerから上手く弄れない電圧関係のみを弄ることにしましたが、問題は上記にも書いた
・パワーターゲットの設定部分が2ヵ所ある
・Max Voltageの設定部分が2ヵ所ある
の不明点です。

そこで改造後問題無く動作中のKGBで弄ったBIOSを読み込んでみました。
Kepler_BIOS_Tweaker_002.jpg
KGBで「チェックサム値を保持する」「パワーリミット150%」「電圧1.175V」の設定で改造したファイルです。
これを見ると少なくとも私のGV-N670OC-2GDの場合は
パワーターゲットは左側の部分だけ弄る
Max Voltageは2ヵ所とも同じ値になるように弄る
で良いのではないかと思われます。

上記の結果を踏まえ、今回はこのように弄ってみました。
Kepler_BIOS_Tweaker_003.jpg
Commonタブでは一番左下のMax値を300W設定にし、VoltagesタブではMax Voltageを2ヵ所とも1.175V(ブースト時Maxで1.2Vになる設定)、Voltage PatternのP5とP8の電圧を下げました。
P8はいわゆるアイドル時のP-Stateで、N480GTX LightningのBIOS改造時と同じく最低電圧0.825Vに設定してみました。
P5は…動画を見ていてもP8まで下がってしまうため、KeplerにおいてP5はどんな時に使われるのかよく分かりませんが気まぐれで下げてみました。

P-State 8
GV-N670OC-2GD_038.jpg

P-State 5
GV-N670OC-2GD_039.jpg

グレーアウトしていますが、2枚とも右のOverclockingタブの最下段で電圧設定値が表示されています。
改造後数日使用していますが、アイドル時や動画再生中などでハングアップや画像の乱れは全く無いので、下位P-Stateの低電圧化は正常に動作していると思われます。
ちなみに先日のNVIDIA Inspectorのバージョンアップ時のSSと比べると、P8 0.987V時のPower 9.47%(18.94W)からPower 8.34%(16.68W)とセンサー読みで2W程下がっているようです。



P0のMax Voltageの変更やパワーリミットの変更はKGBでも出来たので、実用上では大きな変化はありませんでした。
しかしDOS用コマンドラインプログラムのKGBと違って操作しやすいウィンドウプログラムである、P0以外の電圧も変更可能、Boost Tableや各種P-State毎のクロックの設定が可能という点などでKepler BIOS Tweakerの方が明らかに高機能です。
チェックサム値を保持しながら改造出来るのはKGBだけなのですが、ぶっちゃけ効果が全く感じられなかった(NVIDIA InspectorでもMODIFIEDになっていた)ので現状ではチェックサム値にこだわる必要はなさそうです。

ちなみに今回GV-N670OC-2GDのBIOSは公式最新であるF13を使用しました。
変更点の中に5.UEFI BIOSと書いてあり、いわゆるGOP対応BIOSなのかなと思われますが、少なくとも私の環境では全く変化を感じませんでした(起動時間など、無改造BIOSでテスト)。
Windows8環境だとなんらかの変化があるのかもしれませんが、まぁあんな欠陥OSにするつもりも無いので気兼ねなく改造BIOSを使用することにします。


GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDのBIOSを改造してみる(KGB - Kepler BIOS Editor/Unlocker)

しばらくググっていなかったので気付くのが遅れましたが、昨年末にとうとうKepler BIOS Editorが出てきたようです。

KGB - Kepler BIOS Editor/Unlocker

XtremeSystemsというサイトの掲示板で展開されています。
現在バージョンは0.6です。
コマンドプロンプト専用プログラムで、設定はテキストファイル形式のkgb.cfgを弄る事で行います。

この記事を書いた後すぐに0.61にアップデートされたようです。
上記リンク先に行けばその時点の最新版が入手出来ます。

使い方は上記掲示板にも書かれていますが
「kgb BIOSファイル名」と入力すると指定したBIOSファイルの情報を表示します。
「kgb BIOSファイル名 unlock」と入力するとkgb.cfgで設定してある内容に基づき指定したBIOSファイルの中身を書き換えます。
バックアップは取ってくれないので、オリジナルBIOSファイルは別名保存しておいた方が良いでしょう。



早速GV-N670OC-2GDのBIOSを弄ってみました。

KGB_001.jpg
無改造状態のBIOS情報です。
ファン制御は20%~100%、パワーターゲット(Power Limitの100%値)は200W・最大値は112%の225W、最大ブーストクロックは1267.5MHz、電圧は1.15Vというのが読み取れます。

正直最大ブーストクロック値はよく分かりません。
定格設定の時にここまで上がった事は無かったはずで、GPU-Zとかで表示される値ももっと下です。
まぁGPUクロックはAfterburnerでオフセット設定すればどうにでもなるので、下手に弄らない事にしました。


KGB_002.jpg
kgb.cfgのデフォルト状態です。


KGB_003.jpg
今回こんな感じに弄りました。

・Ver 0.6からPreserve_Original_Checksumという設定項目が増えています。
Google翻訳によるとチェックサム値が変更されないように、BIOSの未使用領域を使ってつじつま合わせをするオプションのようです。
新しいスタイルのUEFI BIOSで必要かもしれません とありますが、ビデオカードのFast Boot対応とやらが関係しているのかもしれません。
まぁ今のところはあまり気にせず0のまま、つまりチェックサム再計算でいいと思います。

・ファン設定は無改造と同じ20%~100%です。
まぁどうせAfterburnerで弄りますが。

・パワーターゲットの最大値は150%です。
GV-N670OC-2GDは補助電源端子が8+6ピンでハードウェア的には最大300Wまで入力可能です。
基準値(Power Limit 100%値)が200Wなので、最大150%にすることで8+6ピンの能力を最大限に生かす事が出来ます。

・最大ブーストクロックは弄りません。
Afterburnerでオフセット設定をすればこの値より上のクロックでも動くので、BIOS上で弄る必要はないと判断しています。

・電圧は基準値を1.175vに変更しました。
変動単位は0.0125V毎です。
ちなみに定格状態では基準値は1.15Vで、ブースト時には1.175Vに自動昇圧されます。
このブースト時の自動昇圧(0.025V)は弄れないので、今回の変更をするとブースト時には1.2Vになります。
あと、基準値・ブースト時共に1.2125Vより上には出来ないようです。
つまり基準値を1.2Vにしても、ブースト時は1.2125Vまでしか上がりません。
基準値を1.2125Vにするとブースト時も同じ電圧のままになります。
kgb.cfgのデフォルト値1.1875Vでは、ブースト時に0.025V上がって設定限界の1.2125Vになるような設定になっています。


KGB_004.jpg
unlockオプションを指定して書き換えます。


KGB_005.jpg
書き換え後のBIOS情報を見ると、ちゃんと変更された値になっています。
チェックサム値も変更されているのが確認出来ます。


この改造したBIOSファイルをGV-N670OC-2GDに書き込んでみました。
DOS起動のNVFLASHで書き込みましたが、書き込み・ベリファイ共に問題無く、リセットを掛けて普通に改造BIOSで起動しました。

OCCT GPUテスト中の各種ステータスはこんな感じです。
GV-N670OC-2GD_MOD_002.jpg
ちゃんとGPU電圧が1.2Vになっています。
Power Limitは150%まで設定可能になっています。
モニタリングのPowerも123%で、GV-N670OC-2GDのデフォルトPower Limit 112%を超えて稼働している事が分かります。

ちなみにPower Limitが上がったため、今まですぐに上限に達しダウンクロックして使い物にならなかったOCCT GPUテストがまともに出来るようになりました。
GPU電圧も1.2Vまで上げたため、ブーストクロック1280MHzで常用可能になりました。
ブーストクロックの制御も若干変わって、70℃を超えた時1段階下げの1267MHzにしか落ちなくなりました。
(以前は1202MHz程度まで落ちる事があった)
その代わりというか、実はメモリクロックが+800ではエラーが出ていた事が判明してしまいました。
+700でもエラーが数個出たので、思い切って+500まで下げたところノーエラーになりました。
+800でも全てのベンチ・ゲーム・エンコでエラーは出ていませんでしたが、さすがOCCT GPUテストは厳しいようです…。


ベンチはブーストクロック1306MHz・メモリ+900MHzのデータレート7806MHzで回せるようになりました。

3DMark11
GV-N670OC-2GD_3DMark11_001.jpg
NVIDIA GeForce GTX 670 video card benchmark result - Intel Core i7-3820 Processor,ASUSTeK COMPUTER INC. RAMPAGE IV FORMULA score: P10616 3DMarks

ようやく10600オーバーになりました。


FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK(HIGH)
GV-N670OC-2GD_FF14Bench_001.jpg

こちらもとうとう8000台にのりました。


ちなみに私の個体では、最高電圧の1.2125Vにしても1319MHzではベンチが通らず1306MHzまでのようです。
無駄に電圧を上げていてもGPU温度が上がるだけなので、バランスを考え1.2Vにしています。
なおPower Limitは150%の状態で色々やってみましたが、電圧1.2125Vでの実験中に130%になったのが最高記録です。
省電力になったと言われるKeplerのGTX670でも限界までOCするとこれだけ消費してしまうので、OCを考えている方は補助電源端子が8+6ピン以上のカードを選ぶべきでしょうね。



おまけ
実機を持っていなくてもBIOSファイルとKGB.exeがあれば設定が覗けるので、色々落として中を見てみました。

MSI N680GTX Lightning
KGB_006.jpg
ファンは30%~100%、パワーターゲットは225Wで最大300Wまで設定出来るようです。
補助電源は8+8ピンで最高375Wまで入力出来るカードですが、若干控えめな設定にしてあるようです。


MSI N680GTX Lightning(LN2)
KGB_012.jpg
MSIの公式ページから落とせるLN2用BIOSは日和って面白くなかったので、いつものようにtechPowerUpのVideo Bios Collectionから拾ってきたブツです。
噂の初回版がこのBIOSと同一だったのかは私は所持していないので分からないのですが、上限に張り付いたGPU電圧や基準300W・最大値900Wのパワーターゲットなどキレた設定になっています。


MSI N670GTX Twin Frozr IV PE OC
KGB_008.jpg
補助電源は6+6ピンで普通のGTX670なので、パワーターゲットは175Wで最大200Wです。
ファン制御が30~100%ですが、ここの最大値を弄るとMSIダスト リムーバル テクノロジーの回転数も変化するのか興味深いところです。持ってる人は是非…。


ASUS GTX670-DC2T-2GD5
KGB_009.jpg
公式から落とせるのがTOPのみだったのでこれを調べてみました。
このカードも補助電源は6+6ピンですが、パワーターゲット173.25W・最大202.703Wとえらく中途半端です。
トップクラスの静音性が売りなDC2だけあり、ファン制御が10~100%になっています。


GALAXY GF PGTX670-OC/2GD5 DUAL FAN(多分)
KGB_013.jpg
公式にはBIOSは無いのでtechPowerUpから拾ってきたものです。
補助電源が8+6ピンのカードらしく、デフォルトでパワーターゲット200W・最大250Wになっています。
(改造済のBIOSがtechPowerUpにアップされていた、という可能性もありますが)
騒音の評判を気にしたのか、ファン制御は30~75%と控えめです。


GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDとN480GTX LightningのOCベンチ比較+消費電力

定格でのベンチは他でもありそうなので、OC状態でどのくらい行くのか測ってみました。
比較として常用OC状態のN480GTX Lightningでの結果と、両方の消費電力も書いてみます。
まぁ消費電力はワットモニター(TAP-TST8)でピークを目視確認という方法なので、参考程度という事で。

後、プラットフォームがLGA2011で更にi7-3820を好き放題OCしているので、根本的に消費電力は高めです。
一般的なLGA1155環境よりアイドルで50W前後、高負荷時は更に割り増しで食っていると考えて下さい。

測定環境はここのメインマシンで、ビデオカードのみ入れ替えで行いました。
i7-3820は4.75GHz設定です。
N480GTX Lightningはコア810MHz、メモリ2004MHz(データレート4008MHz)の設定です。
GV-N670OC-2GDはコア+100MHz(ブーストクロック最高1275MHz)、メモリ+600MHz(データレート7204MHz)の設定です。
ドライバはどちらも306.23です。



アイドル時
まずはアイドル状態での消費電力です。

・N480GTX Lightning  :155W
・GV-N670OC-2GD   :150W

予想外に差が少なかったですが、GV-N670OC-2GDのアイドルが高い訳ではなく私のN480GTX Lightningのアイドルが特別低いだけです。
以前測ったデータによると、BIOS改造でのアイドル時低電圧化+APSオンにより吊しの状態から11W下げれています。
GTX670は未だにBIOSエディターが存在しないので、現状では下げる事が出来ません。
それでも吊しの状態で5W低いのは立派だと思います。



3DMark06

N480GTX Lightning : 447W
GV-N670OC-2GD_025.jpg


GV-N670OC-2GD : 404W
GV-N670OC-2GD_026.jpg


異様に差が少ないですが、実行中にAfterburnerのOSDを見ていれば答えが分かります。
元々N480GTX Lightningでも99%負荷にはならないんですが、GV-N670OC-2GDでは更に酷く殆どの場面で50%程度しか負荷が掛かっていません。
これがCPUのシングルスレッドパワー不足なのか、それともNVIDIAの最近のチップの仕様なのかは分かりませんが、この空回り状態ではスコアが伸びる訳がありません。
とりあえずGTX670は3DMark06は苦手のようです。



3DMark11

N480GTX Lightning : 462W
GV-N670OC-2GD_027.jpg
NVIDIA GeForce GTX 480 video card benchmark result - Intel Core i7-3820 Processor,ASUSTeK COMPUTER INC. RAMPAGE IV FORMULA score: P6726 3DMarks


GV-N670OC-2GD : 422W
GV-N670OC-2GD_028.jpg
NVIDIA GeForce GTX 670 video card benchmark result - Intel Core i7-3820 Processor,ASUSTeK COMPUTER INC. RAMPAGE IV FORMULA score: P10440 3DMarks


DirectX 11用のこのベンチでは大幅に伸びました。
GPU負荷率を見ていてもどちらのカードも殆ど99%付近なので、このベンチでは両者とも全力を出せているんじゃないかと思います。



FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK
Lowを測ってもCPUベンチにしかならないので、Highのみです。
フルスクリーン化はしていない状態です。

N480GTX Lightning : 487W
GV-N670OC-2GD_029.jpg


GV-N670OC-2GD : 437W
GV-N670OC-2GD_030.jpg


DirectX 9のベンチマークですが、3DMark06と違いしっかり負荷が掛かるので差が付いています。



PHANTASY STAR ONLINE2 CHARACTER CREATOR BENCHMARK
PSO2CC付属ベンチマークです。
簡易設定5、ウィンドウモードで解像度フルHDで計測しています。

N480GTX Lightning : 473W
GV-N670OC-2GD_031.jpg


GV-N670OC-2GD : 414W
GV-N670OC-2GD_032.jpg


FF14ベンチと同じく、DirectX 9用にしては負荷がしっかり掛かり大幅に伸びています。
これでゲームとして面白かったら、ドライバからの強制AAで綺麗な画面で楽しめたんですが…。



CINEBENCH 11.5 OpenGL

N480GTX Lightning  : 362W
GV-N670OC-2GD   : 262W
GV-N670OC-2GD_033.jpg

僅差でGV-N670OC-2GDが勝ちましたが、定格同士だと怪しいかもしれません。
GTX670はOpenGLは苦手なんでしょうか。



TMPGEnc Video Mastering Works 5
エンコーダーではなくフィルター系だけですが、CUDAを使っているので差が出るか確認してみました。
24fps化と高精度映像ノイズ除去を使用しています。
2つとも24分くらいのファイルです。
TVMW5はバージョン5.2.4.68です。

N480GTX Lightning : 449W
GV-N670OC-2GD_034.jpg


GV-N670OC-2GD : 373W
GV-N670OC-2GD_035.jpg


KeplerはCUDA的にはFermiより劣ると聞いていたので時間的に遅くなるかと思っていましたが、OCしている為かなんとかGTX480よりは早くなりました。
尚、このエンコ中の消費電力は開始後5分程度の間での最高消費電力です。
さすがに1時間も見つめ続けるのは無理なので…。



全体的に、3Dで負荷がしっかり掛かる場合はDirectX 9も11もGTX670の圧勝です。
しかしOpenGLやCUDAなどで、定格同士だとGTX480に負けるんじゃないかと思われる部分もあります。

消費電力的には、当たり前ですが全てGTX670の方が低くなっています。
ただ3D系だと40~60W程度しか下がっていないので、購入前の予想より差は少ない感じです。
まぁOCしているからかもしれませんが、N480GTX LightningもOC状態で測定しているので、OCCT GPUテストでもしない限り致命的な電力差は付かないようにも感じます。
GTX480の中でも特に大電力対応のLightningをOC常用で1年半使ってきましたが、1枚挿しなら750W電源でi7-950@4.2GHzと共存させても全く問題も出なかったので一部の人間が騒ぎすぎただけでしょう。
電力大食らいより、HD5870でのドライバの出来の方が遙かにストレス溜まりましたからね。

とりあえず現在のKeplerはゲームに振ってある為、3D性能と省電力性は優秀です。
細いメモリバスは心配でしたが、手持ちの液晶的にどうせWUXGAまでしか使えないので特に問題無いようです。


    

GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDのOC

Keplerになってから今までのビデオカードのOC方法とは変わってしまいましたが、手探りで色々弄ってみました。

4Gamer.net ― 「GeForce GTX 680」レビュー(後編)。NVIDIA版Turbo Boostになる「GPU Boost」とは何か

基礎知識としてこのページが非常に役立ちました。
以前見た時は適当に流し読みでしたが、今回は実機が手元にあるので理解しやすかったです。

まずはGV-N670OC-2GDとしての定格クロックでの動きです。
GV-N670OC-2GD_019.jpg
ベースクロックは980MHz、ブーストクロックは1059MHz(公式では1058MHz)になっています。


この状態でFF14 Benchを実行した時のクロックの動きです。
GV-N670OC-2GD_021.jpg
ブーストクロックが1176MHzまで上がっています。
仕様上のブーストクロック1058MHzとは100MHz以上の差があります。


このブーストクロックですが、GV-N670OC-2GDでは
・コア温度が70℃を超える
・Power Consumptionが上限値(デフォルトでは100%)を超える

この2つの複合条件でブーストされるクロックは下がっていきます。

問題は、このクロックのブースト値を下げていくルーチンはオフにする事は出来ないという事です。
KeplerはFermiまでのようにクロック決め打ちは出来ずオフセット設定しか出来ないので、このブーストクロックの動きを理解しないと狙い通りのクロックにする事は出来ません。

まぁでも実は結構単純な話かもしれません。
Power Limitは出来るだけ大きく設定し、適度なプラスオフセットクロックを設定した後ひたすら70℃を超えないようにファン操作すれば理論上の最大ブーストクロックで動き続ける事になります。


とりあえずのお試し設定としてこんな感じにしてみました。
GV-N670OC-2GD_022.jpg

・Core Voltageは弄っていません。
というか、この項目は弄っても意味が無いです。
弄ると確定した瞬間は反映されるのですが、P-Stateが変更時に標準値に上書きされます。
なので例えば+25mVとかにしても、最大ブースト時の電圧は1.175Vのままです。
ASUSのGTX670-DC2-2GD5やMSIのN670GTX Twin Frozr IV PE OCは電圧操作も売り文句に入っていたと思いますが、本当に上書きされずにオフセット設定出来るんでしょうか。
もし出来るならこの自由度の低いKeplerのOCにおいて貴重な製品になると思います。

・Power Limitは最大の112%です。
この値、実はカードによって100%の値がバラバラなので、どこまで%を伸ばせるかもカードによって違うようです。
VGA Bios Collection: Gigabyte GTX 670 2048 MB | techPowerUp
この情報が正しいのなら、GV-N670OC-2GDは標準(100%)は200W、112%で224Wという事になるかと思います。
だとすると折角の8+6ピン補助電源が宝の持ち腐れ状態に…最大150%でいいのに。

・Core Clockのオフセット値は+100MHzです。
GPU-Zではベースクロック1080MHz、ブーストクロック1159MHzと表示されます。

・Memory Clockのオフセット値は+400MHzです。
実際のデータレートでは+800MHzの6800MHz位になるはずです。
GK104の弱点はメモリ回りなので、メモリクロックを上げるのは意味がある行為だと思っています。

・ファン設定はAfterburnerでの制御設定にしてみました。
ほどほどの音量で出来るだけ70℃を越えないように、という感じの設定です。
ただし80℃とかは避けたいので、70℃を超えると手加減しないようにしています。


この設定でFF14 Benchを動かしてみると、こんな状態で推移します。
GV-N670OC-2GD_023.jpg
ブーストクロックは最大1276MHzまで上昇します。
このSSではまだ69℃で堪えているので下がっていませんが、ベンチ完走までには70℃に到達してしまいました。
70℃になると確か1267MHzに落ちていたはずです。

この辺のバランスは難しく、絶対70℃を超えないようにしようとするとファンが爆音状態になりかねません。
逆に静音にこだわると速攻70℃を超え、ブーストクロックがどんどん下がっていくのでOCの意味が薄れてしまいます。
いかに冷やせるかがKepler OCでのキモだという事になりそうです。

Power Consumptionですが、こちらは滅多な事で112%に到達する事はありません。
私が試した限りだと、Afterburnerに付いてくる”しばきツール”・Kombustorで見事に112%到達をしてくれた位です。
Power Limitは設定出来る最大値にしておけば、後はあまり気にする必要も無いと思います。



※2012/10/06
次の記事でOC時のベンチまで載せておきながら今更違うクロックですが、まぁ数日間使ってみての結果という事で。
最初は気付かなかったのですが、GK104のコアクロックはどうも13MHz刻みで上下させるのがキリが良いようです。
(実際には13+小数点以下のクロックで変動していくので、14MHzずれる位置があります)

ベンチ専用設定
GV-N670OC-2GD_037.jpg
コアのオフセットは+104で最大ブースト時1280MHzです。
+117の1293MHzでは3DMark11やFF14ベンチは通りますが、一部ベンチで反応停止エラーが出てしまいます。
メモリのオフセットが+900のデータレート7804MHzです。
実験中Afterburnerでのメモリ最大設定値+1000まで上げてみましたが、残念ながらベンチ中にドライバの反応停止エラーが出ました。
+900では今のところ全てのベンチで問題ありません。


常用設定
GV-N670OC-2GD_036.jpg
コアは+78の最大ブースト時1254MHzです。
1280MHzだとベンチでは何をやっても問題無かったのですが、ゲームの実プレイ(Crysis)時、リアルタイムレンダリングのデモシーンに移行するタイミングで落ちる事がありました(何故か操作中は問題無く安定してるのですが)。
1段階下げの1267MHzでも大丈夫でしたが、念のためもう1段階下げの1254MHzにしています。
メモリは+800のデータレート7604MHzです。
ベンチで問題のない+900から余裕をみて100MHz(実クロック50MHz)下げています。


相変わらずあまり引きが良くないので、コアクロックはいまいち伸びず残念でした。
ただメモリは予想外に伸びて、256bitバスで微妙なGK104の弱点を緩和してくれています。
まぁこれは購入前の目論見通り、一番真面目にメモリを冷やしているGTX670であるGV-N670OC-2GDだからこそ達成出来るクロックではないでしょうか。

※2013/01
GV-N670OC-2GDのBIOSを改造してみる(KGB - Kepler BIOS Editor/Unlocker)
Kepler BIOS Editorの登場によって常用のクロックも変わりました。
詳しくは上記リンク先で。



今回のKeplerでは自動で動的にクロックを制御される為、オリジナルファンモデルの重要性が増しています。
より大きな電力を投入出来、より冷えるクーラーが付いているという事が重要になってきます。
リファレンスクーラーで冷えないGTX680より、オリジナル基板とファンで構成されたGTX670の方がブーストクロックの伸びと安定が良いなんて事も多々あるでしょう。
GTX670とGTX680の性能差では、クロックの逆転具合によっては性能も逆転する事もありそうです。


    

GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GDを弄ってみる

GV-N670OC-2GDを色々弄った雑感を書いてみます。



PCI-E 3.0動作について

KeplerのGK104はPCI-E 3.0対応ですが、CPU側のIntelとしての3.0正式対応はIvy Bridgeからということもあり、Sandy Bridge-EだとGeForceドライバのデフォルトでは2.0動作になってしまいます。
PCI-E 3.0に(非公式でも)対応というのは私がSandy Bridge-Eを選択した理由の一つでもあるので、正常にPCI-E 3.0で動作するのか確認してみました。

4Gamer.net ― NVIDIA,X79環境でGTX 680&670のPCIe 3.0動作を有効化する「無保証パッチ」公開

当たり前ですが先にR4FのUEFIでGEN3設定にしておきます。
分かりやすい説明とリンクがあるので、上記ページを参考にパッチを実行しPCI-E 3.0動作させてみました。

GV-N670OC-2GD_020.jpg
すんなり3.0で動作しました。
まだ数日しか動かしていませんが今のところ全く不安定な挙動もないので、i7-3820(SR0LD・M1ステッピング)+Rampage IV Formula(BIOS 2105)ではKeplerのPCI-E 3.0動作OKとみていいと思います。



BIOSについて

GV-N670OC-2GD ダウンロードページ(BIOS)

このBIOS説明によると、最新のF12はVersion:80.04.31.00.09となっています。
上記のGPU-Z等のSSを見ても分かるように、初期状態のBIOSはVersion:80.04.31.00.58です。
分かり辛いのでGIGABYTEのBIOS UPDATEツールのVGA@BIOSを起動させてみました。

GV-N670OC-2GD_024.jpg
どうも既にF12になってる気がします。


らちが明かないので、techPowerUp!から現在の最新版のNVFlash 5.127を落としてきてDOS起動にて現在のBIOSを吸い出しました。
ちなみにGPU-Zでは吸い出し不可です。(バージョン0.6.5から吸い出し可能になりました)

吸い出したBIOSファイルとダウンロードしたF12のBIOSファイルでハッシュ比較をしたところ、見事に一致しました。
つまりGIGABYTEのダウンロードページに書いてある詳細説明が間違っています。
F12のバージョンは80.04.31.00.58です。


という訳で、購入時から最新BIOSになっていたので更新の必要はありませんでした。

※2012/10/05
いつの間にかバージョンF12の詳細の誤植が直っているようです。



ファン動作について

ファンの動作音をどう感じるかは、環境や個人差によって大きく異なるのであくまで主観的な意見です

まず10%刻みでAfterburnerで弄ってみました。
・~40%(1920rpm) : 他のファンの音に紛れて聞こえません。
・50%(2730rpm)   : 低い感じでファーと聞こえるようになります。
・60%(3420rpm)   : 若干中音が混じってくる感じで、当然音量は上がっています。人によってはこの辺から耐えられないと言い出しかねません。私は平気なレベルです。
・70%(3990rpm)   : 更に音量が上がり高音が混じってきます。私でも五月蠅いかなと感じるレベルです。
・80%~(4440rpm) : 五月蠅いです。これで常用するのは私でも無理かなと。

私は多分普通の人よりファンの騒音に寛容な方だと思いますが、それでも80%以上はちょっと勘弁という感じです。

意外に高負荷なFF14 Benchを回してファンの回転数を見てみました。
GV-N670OC-2GD_021.jpg
標準のファン制御だと68℃時点で45%なので、ハイエンドクラスのGPUにしてはかなり静かです。
アイドル時は23%まで下がるのは確認しています。


ちなみにWindowsが起動していない状態、例えばUEFI中などでは多分50%位の状態でファンが回っています。
(%を表示する方法はないので音で判断しています。)
なのでWindowsのアイドル中と違って、UEFIやWindows起動処理中はファンの音が聞こえます
私はこの程度であれば全く問題ありませんが、神経質な人にとっては気になる仕様かもしれません。
まぁ噂のMSIダスト リムーバル テクノロジーに比べればこのくらいなんでもないでしょう。
正直、この50%の音量に耐えられない人ならハイエンドクラスのGPUは止めた方が良いです。


    


GV-N670OC-2GD

GV-N670OC-2GD購入

GV-N670OC-2GD_001.jpg

Kepler発表時にはミドルクラス系のダイ面積とメモリバスに懐疑的だったのですが、結局これが現在の本流という事のようなので購入してみました。
いつものようにコスパ重視の貧乏性なのでGTX680ではなくGTX670です。

4万を切っているLEADTEKのWinFast GTX680 2GB GDDR5も気にはなったのですが
・製品写真で僅かに見える基板部分から、基板がオリジナルっぽい
・ググっても基板の詳細写真は出てこない
・値段や今までの実績から考えて廉価基板の可能性あり
・廉価基板とリファレンスクーラーの組み合わせはちょっと勘弁
廉価基板と決まった訳ではないですが、4万も出して不明な基板の製品を購入する気はしないので候補外としました。

オリジナルファン搭載のGTX670候補としてASUSのGTX670-DC2-2GD5やMSIのN670GTX Twin Frozr IV PE OCも考えましたが

・8ピン+6ピンの補助電源端子により、リファレンスのGTX680より電力面の余裕がある
・しょぼいGTX670用基板ではなく同社製GTX680のGV-N680OC-2GDと同一基板を使用している
この基板はリファレンス用GTX680基板をベースにGIGABYTEオリジナルのUltra Durable VGAを採用し、電源回路もリファレンスGTX680基板の4+2フェーズから5+2フェーズに強化されている
・GTX680用基板なのでメモリが表面のみに実装され、またそのメモリの冷却の為にヒートシンクが熱伝導シートで接面している


これらの特徴が気に入ったので、今回はGIGABYTEのGV-N670OC-2GDにしてみました。
なお同じGIGABYTEでもGV-N670WF2-2GDは基板がGTX670のリファレンス基板です。
上記の特徴は全て当てはまらずに1ランク下の製品になるので、気をつけた方が良いでしょう。


GV-N670OC-2GD_002.jpg
箱裏面です。


GV-N670OC-2GD_003.jpg
内容物です。
カード本体の他には、補助電源変換ケーブル2本とドライバCD・クイックガイドしか入っていません。
非常にシンプルです。


GV-N670OC-2GD_004.jpg
GV-N670OC-2GD_005.jpg
カードの表裏です。
私はいきなりバラす気は無いので、もっと詳しく見たい方はtechPowerUp!のGV-N670OC-2GDレビューページへどうぞ。
ちなみに同じtechPowerUp!にGTX680リファレンスカードのレビューもありますが、基板を見比べると冒頭で書いたこの製品の特徴が分かると思います。


GV-N670OC-2GD_006.jpg
余裕の8+6ピン補助電源端子です。
時々8ピン補助電源端子を毛嫌いする人を見かけますが、6ピンが8ピンになっただけで実消費電力が上がる訳ではないのでもうちょっと理知的な思考を身につけて欲しいと思います。
マザーファッカーにならない為、他にOC時の安定性なども考えると補助電源部分は余裕を持った作りが好ましいものです。


GV-N670OC-2GD_007.jpg
2階建て構造になってる部分が電源制御チップのようです。
techPowerUp!によるとI2C非対応のようですが、Keplerは電圧の動的制御をするんですよね…。
正直仕組みがよく分からんです。


GV-N670OC-2GD_008.jpg
このカードにはバックプレートは付いていませんが、代わりに歪み防止用のステーが付いています。


GV-N670OC-2GD_009.jpg
Triangle Coolと言われるヒートシンクの盛り上がり部です。


GV-N670OC-2GD_010.jpg
このように背面端子はもちろんの事、PCI-Eスロット端子やSLI端子にも全てカバーが付いています。


GV-N670OC-2GD_011.jpg
DVI端子の一つはアナログ不可のDVI-Dになっています。
HDMIとDisplayPort端子はミニではなく標準タイプなので扱いやすいと思います。


このカードにはバックプレートはないので、R4FのPCI-Ex16_1に挿すと取り外し時のドライバー差し込みでショートしそうで気になります。
GV-N670OC-2GD_014.jpg
試しにレーンシミュレーターで見てみると、PCI-Ex16_2にX-Fi Ti FCSを挿してもPCI-Ex16_3はx16モードで使えるようです。


GV-N670OC-2GD_012.jpg
GV-N670OC-2GD_013.jpg
PCI-Ex16_3に挿し、X-Fi Ti FCSを上に上げてみました。
補助電源ケーブルの長さがギリギリっぽくなったのでNH-D14のファン前面を思いっきり横切っていますが、まぁCPUの温度的には余裕があるので大丈夫でしょう。
長さ的にはご覧の通り、ATXマザーの幅よりちょっと長いくらいです。
480Lightningより余裕で短いので、E-ATXなケースだとスカスカです。


GV-N670OC-2GD_015.jpg
しっかりx16 Nativeで動作しています。
やっぱりX79の自由度は最高です。


    
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